もう亡くなられてから20年近くの歳月が流れ、過去の人というか知らない世代も増えてしまったわけですが、日本に音楽史というものがあるとすれば必ずや外すわけにはいけない存在だと思います。
さて、肝心の内容の方は。。。
この手の本は発売日までは期待させられていざ手に入れてみると結構な割合で過去の雑誌の総集編に少しオマケが付いたぐらいでガッカリさせられることも多いのです(^^;)
しかし、この本は違いました!!
過去の雑誌のインタビュー、コラムを集めていたり、機材の紹介があったり、関係者のインタビューがあったりは勿論なのですが(これだけでも僕のような後追い世代には貴重ですね)
なかでも個人的に特に感銘を受けたのは本人がノートに書き溜めていた手記が載っていた事。
かなりの読書家でもあったとの事でどこか詩のような文章で内容は音楽に関することから世間への風刺等20年経った今でもハッとさせられる内容ばかり。。
それと同時に今まで他人からの言葉でしか知れなかった「大村憲司」という人となりを本人の言葉に触れる事で少し理解出来た気がします。
音楽に関する知識、理解は想像以上に深く幅広く、本当に音楽をギターを愛していたんだなぁと。
音楽に限らず本や映画、音楽以外の芸術もとありとあらゆる事に関してもかなりの知識があったようです。
その反面、巻頭にも綴られているように頭が良すぎた事で色々としんどかった事も。。。
当時でここまで先の事が見えていたならそれはしんどかっただろうなぁ。。。
何だか色んなものが重なって読んでて泣けてきます。
しかし、亡くなって20年も経つ1人の人間がこうやって未だに皆んなから愛されて本まで発売されるというのは本当に凄い事です。
そして僕のようなリアルタイムで知らない人間にも広がっていけば素敵な事ですよね。
誰もが認める演奏、そして数々の逸話を残しながら(笑)も最終的には周りから愛されている人間性が成せる技なんでしょう。
今の20代だと(30代も??)知らない人が大半かも知れませんが、憲司さんを含め特にこの辺りの世代の人達(大貫妙子、矢野顕子、坂本龍一、細野晴臣、高橋幸宏、山下達郎、加藤和彦、井上陽水、村上秀一etc)はトンデモナイ強者揃い。
今のような情報が無いながらも、常に海外に目を向け。日本を背負って海外と本気で戦おうとしていたのです。
特にライブ音源なんかを聴くとよくわかりますが、最初から最後までのあまりの気迫に聴いてるこちらの背筋も伸びてしまうほどですよ^^;)
もし、僕と同世代かそれよりも若い人で知らない人がいたら先ずは聴いてみてください。現代に失われた何かに気づけるはずです。
それ故に後々しんどくなってしまった人も多いのは事実ですが。。。
今回の本で憲司さんのひととなりを知れた事で強く感銘を受けてより憧れの存在になりましたm(_ _)m
興味のある方は是非、オススメの本です!!