ある音楽家の日常

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1852年製のMartinが聴けるAlbum「GOLDEN TIME/小倉博和」


楽器の世界は少し変わっていて最新の技術を取り入れた新製品ばかりが売れるのかと思いきや、未だに効率の悪い真空管を使用したアンプが重宝されてたり、数十年前に作られたボロボロのギターに家が買えるような大金を積んで入手したりと一般的な感覚からしたら信じられない感覚かと思います^_^;
。 

いや、そんな事はない(はず)!笑
その当時の楽器にしか出せない音があるのですm(__)m (と言い聞かせたいこの頃。。。)

コレクター的な人もいてるのは確かですが、やはりそこは楽器なので弾いて、鳴らしてなんぼかと。
エレキギターの世界だと家が買える位プレミアがついたビンテージでも1960年代前後に製作されたものが大半ですが、アコースティックギターとなるとさらに歴史は古いです。

いつからというのは正確には分かりませんが、一説には現代のギターにつながる形が初めて製作されたのは1833年頃だと言われています。
そしてそれから約20年後、今から160年以上前の1852年(日本史では黒船が来航する一年前笑 ) に製作されたギターが未だに博物館に飾られる事なく楽器として使用されているのです。
想像も出来ない位昔に作られたMartin製のギターを所有しているのは日本人ギタリスト小倉博和さん。

そのギターは長年アメリカにて有名なコレクターの方により保管されていたそうですが、その方の亡くなったタイミングで何故か海を渡り日本の楽器店の店頭へ
そしてそれを夜な夜なデ◯マートを徘徊していた(本人のラジオの発言より笑)小倉さんが発見してしまい入手という流れらしいです。

小倉博和さんといえば日本トップクラスのギタ
リストの一人。
山弦やbankbandでの活動の他にも数え切れないぐらいのアーティストのサポート、最近だと福山雅治さんのバンドにも在籍中ですね。
僕も昔から好きなギタリストで、2年ほど前に楽器フェアで至近距離でそのプレイを体感しましたが凄すぎて笑いが止まりませんでした^_^;

そんな小倉さんがその楽器から受けたインスピレーションを最大限に膨らませて作ったのが今回紹介するアルバムGOLDEN TIME 
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(アルバムのジャケットに写っているのがそのギター)    
全編に渡り1852年製のMartin 2-27を使用。
この楽器の音を聴いてもらいたいという思いもあったとの事でプレイは勿論の事ギターの持つ素晴らしいサウンドが収められてます! 
素晴らしいというのも何か浅はかな表現な気がしてしまうぐらいに深みのある音。
鉄弦が張られているはずなのですが、いわゆるアコースティックギターとも少し違い少しガットギターのようなニュアンスに近いサウンドで、小倉さんの作る楽曲、アレンジとも見事過ぎるマッチングです! 
気持ち良すぎてここ最近ヘビロテ中ですが聴いてても全く飽きません^_^;     
160年もの時を超えて日本人と巡り会ってこうやって音源が作られるという奇跡には本当に感動してしまいます。しつこいようですが日本史的には黒船来航前に作られてますからね^_^;
 
上記アルバム、興味を持った方は是非聴いてみて下さいm(__)m      

このままビンテージの魔力にハマってしまうのか。。?笑