ある音楽家の日常

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宮本浩次「ROMANCE」カバーアルバムのあるべき姿 

2020年11月18日発売の宮本浩次エレファントカシマシ)さんのCoverアルバムが素晴らしい。

 

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 記憶にある中だと、徳永英明さんのVocalistシリーズが大ヒットして以来目立つようになった全曲Coverというアルバム。 

最近はSNS等で流行りの曲をCoverして所謂バズが起こり世に出るきっかけになるという歌い手も珍しくありません。  

 Cover楽曲自体が珍しくなくなった昨今、世の中にはプロアマ問わず本当に沢山溢れている状況ですが、流行りにのって少しでも広めようと戦略的にその曲を歌い奏でているものも沢山あるように感じます。  

まぁそのあたりは個人の自由なのですが、あまりにも溢れ過ぎていていちリスナーとしても飽きたのは正直なところ。。。

 

そんな中発売のニュースを知った宮本さんのCoverアルバム。 

去年あたりからバンドとは別にソロアーティストとしても活動されていてTV番組での歌唱を拝見したのですが、その時は生演奏(バンド形態)ではなくカラオケでの出演。 

エレファントカシマシのイメージが強すぎてなんだかそんな宮本さんの姿に違和感と少しの残念さを感じて、今回のアルバムもそんなに注目していませんでした。

 

しかし、ある日アルバム発売にあたり出演したTV番組の様子がYouTubeのオススメで上がってきたのでとりあえず見てみようと視聴したら「?!?!」その素晴らしさに驚きました。 

 もともと宮本さんの歌が素晴らしいのは認識してましたが、自身がルーツだと語る日本の名曲の数々をその真っ直ぐな歌声で、エレカシとはまた違ったテイストのアレンジの中で歌い上げられる様は圧巻です。

Coverは原曲へのリスペクトは忘れずに、でもその人の解釈で表現するのが理想だと思うのですが 原曲の力強さにのまれる、もしくはその人のカラーが強すぎてただ歌っているだけになるという事が多いのも事実。。

しかし、宮本さんの場合各楽曲を一度しっかり消化してそこから自分で新たに作り出したような新しさもありながら、楽曲の持つ色、匂い、意味の深いところまで真摯に向き合った上で僕はこう歌いましたというのが伝わってくるので、まるで自身のオリジナル曲なのかと錯覚してしまうほどです。

 

アルバム全体通して聴いてそこから伝わってきた宮本さんの心意気に対し、自分自身ももっと音楽に真摯に向き合っていこうと改めて思わされました。

 

 Coverかどうかというところを超越した本当に素晴らしいアルバムなので、まだの方は是非一度聴いてみてください!